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2020年夏の海をPESさんと振り返った話。

HIP HOPアーティストとして音楽シーンで活躍する一方、サーフィン好きで仕事やプライベートで常に海に近い場所にいるというPESさん。インタビュー記事第2回目では、より海の話題へとベクトルを向けて、日頃の海との向き合い方や海に潜む危険への意識についてお話を伺いました。アーティストとして知られるPESさんとはまた異なる、1人の海を愛する者としての生の声を聞かせていただきました!

状況に機敏に反応し、サーファー同士で行動を自粛し合った2020年の夏

―今年は新型コロナウイルス感染症の影響で、海水浴場の閉設やライフセーバーが不在の状況が各地の海で見られましたが、PESさんご自身としてはどのように海と向き合っていましたか?

PES:
サーファーは「台風の時に波に入る危ない人たち」というイメージを結構持たれがちなので、こういった状況には敏感です。特にローカルのサーファー達が敏感で、例えば湘南だったら湘南一帯でサーファーが海に入らないと決めたり、4月、5月くらいの早い時期からそういう動きをしていました。

僕も今年はこれまでのような頻度では海へ行っていませんが、サーフィンをしなければいけない仕事もあるので、仕事目的で行ったりはしました。

他県に行ってはいけないなど規則があればもちろん行かないのですが、そうでなければ雰囲気次第という感じが、サーファー仲間に漂っていましたね。僕自身は『Blue.』という雑誌で連載をしていてサーフィン業界とも関わりがあったりするので、気の向くままの行動は控えていましたが、趣味でサーフィンをやられている方は行政からNGと言われない限り行ってしまっている人もいたりして。

でもローカルのサーファー達の「来ないで」という呼びかけが、8月頃から「来てもいいんじゃない」と少し緩くなって、来てもよさそうな雰囲気が出てきたので、僕も仕事を兼ねて少し行くようになりました。昨日も仕事でサーフィンをしてきたのですが…、仕事でサーフィンというのも変ですよね、でも本当に仕事なんで(笑)。

今年、海沿いに住んでいる人は結構焼けて肌が黒いんですが、都会に住んでいるサーファー達は例年に比べて白いんですよ。自粛期間で家にいることが多かった分、筋トレがはかどって今年は本当にいい身体をしている色白の人が多いです。すごい状態だなと思います(笑)。

海の危険に対する安全意識も変化。まずは普段からのケアを大事に

―サーフィンは海を楽しめる反面、リスクも伴うスポーツですが、サーフィン業界では海辺の危険に対して日頃どういった取り組みをされているんでしょうか。

PES:
サーフィンは自然の中で行うものなので、チャレンジするレベルが上がってくるとそれに比例して危険度も上がってきます。プロの方達は注意の呼びかけをしていますし、世界で一番危険な波に入る人達も、安全面に対する意識は上がっていると思います。

30、40年前は海パン一丁でビルのような大きな波に乗るのが男のロマンのような雰囲気がありましたが、今はライフジャケットを着てジェットスキーに乗ったライフセーバーが見守りをしていて、波に巻かれてしまったらすぐに助けに来てくれる。助ける側も日頃訓練をして命懸けで助けるわけですし、だからこそルールを守って安全にやっていこうという意識が育まれているように思います。

ハワイなんかでも危険な場所に勝手に入ろうとすると、「君では無理だから入っちゃだめだよ」と止められたりしますし、基本的にはみんなでお互いを見合わせて安全を確認しながらやっているので、そこは昔よりも進化しているなと感じられる部分ですね。

世界のサーフィンの関連団体もそういった所はセンシティブに考えていますよね。安全性を示していくことについては、世界中で多くの団体もすごく気にしていると思います。世界の海にはサメも多いのですが、サメが出たりすると何億円もかけて設営したコンテストであっても中止にしたりという話はよく聞きます。

―海辺の危険について普段感じられていることはありますか?

PES:
海に遊びにくる子ども達を見ていると、海育ちの子とそうではない子の差がすごいんです。海育ちの子は危険に対する感覚を身に着けていたりしますが、それでも事故に遭って亡くなってしまうこともあります。子ども達というより、一緒に行く保護者の方達の方が必ずライフセーバーがいる所で遊ぶなどの普段のケアなど気をつけないといけないことがあると感じます。流されたりする危険は、大人でも十分ありますからね。

サーフィンをやっている海育ちの方達は本当にスパルタで、少し危険を乗り越えないと上達しないと思っている節もありますが、お子さんをサーフボードに乗せたり、サーフィンを教えているプロサーファーの方だと、最初の頃は子どもにライフジャケットを着せてしっかりケアをしています。今ライフジャケットを着ている子は、結構いますね。ケアの第一歩として、ライフジャケットも良いかもしれないですよね。

―ちなみに、PESさんは自分用のライフジャケットはお持ちですか?

PES:
僕は自分用のものは持っていませんが、ボートから出る波でサーフィンをするウェイクサーフィンなんかをする時は、ライフジャケットを必ず着用しています。サーフィンの場合は、例えば波に巻かれた時に身体が浮きすぎてしまうと、波にもまれたまま連れて行かれてしまって息ができないなど、逆に危ない状況に陥ることがあるんですよね。

一回潜ってやり過ごすなど身体を沈ませた方が危険を回避できるということもあるので、ライフジャケットの着用についてはそういった危険性との兼ね合いを考えなければいけないのが、サーフィンでは結構むずかしい所だと思います。

あとはライフジャケットを着ていると、変な日焼けをしてしちゃうとかもあるかもしれないですね(笑)。危険性に応じていい具合にシュッと膨らんで縮む機能性があり、それでいて日焼けもちゃんとできるっていうライフジャケットがあったら理想的かもしれません(笑)。

―PESさんは、海辺の危険をどのように学んでこられましたか?

PES:
今はサーフィン自体がレジャー化して、専門のスクールがあったり、レンタル用のボードやウェットスーツなんかも普及しています。でも、30年くらい前はそういったものがあまりなく、僕のように誰かに連れて行ってもらって教えてもらったりというサーフィンの入り方が多かったように思います。

僕はサーフィン中の経験から自然に覚えた身の守り方や、知り合いから「こういうことをすると危ない」という危険な面からの対策を教えてもらう感じでした。

教える側の人達も危ない時があったし、救助されたり亡くなられている方を間近で見たりもしましたし、そういうのを見ると怖いじゃないですか。だから海に入る前には必ず準備運動をしたり、自分の力量と見合っているのかを見極めたり、いろいろな角度からサーフィンの危険性に自然と向き合うようになっていきましたね。

今のようにインターネットなどでサーフィンの情報を知ることができなかったので、行く先々でコミュニケーションしながら知ることも多かったですよ。

千葉に行ったら千葉の人、湘南に行ったら湘南の人というように地元の人と直接話をして、地元の人の考え方で「ここは入っちゃだめ」とか、行政で禁止していることなどのルールや考え方を学んでいきました。自分の足で実際に体感しながら覚えて、結構慎重だったと思います。それに、今のように事前にいろいろな情報を詰め込んで頭でっかちになり過ぎても、楽しめなくなっちゃいますからね。

海をパートナーと考える人間として、自分にできることを地道に取り組んでいきたい

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―海関連で、今取り組まれていることがあれば教えてください。

PES:

今は、雑誌を通じて海関係の団体さんの話をしたりしていますね。それから、サーファーの中にはプラスチックごみを減らす活動などをされている方が結構いるので、フェスや僕らがやるイベントに来てTシャツを作ってもらったり、ワークショップをやってもらったり。地道な活動には普段できるだけ参加するようにしています。

また、子ども達を集めてビーチクリーンとか海の安全を考える活動をしているサーフライダーファウンデーション(https://www.surfrider.jp/)という世界各国に支部をもつ団体があるんですけど、日本支部に知り合いがいるので、話をしに行ったりすることはあります。その方は、僕の雑誌連載の取材を一緒にやってくれたりしているので、僕も海に関することで何か協力できれば、していきたいなと思っています。

あとは、サーフィンだけではなく、日本では災害も多いので、そういったことに気をつけてくださいねということは機会があれば伝えていくようにしています。

―サーフィン、海、そして音楽にまつわるいろいろなお話をありがとうございました!最後に、PESさんにとって海とはどんな存在でしょうか?

PES:
ないと困るもの、パートナーですかね。

海に行かないと調子が悪くなったり、病気になったりします。海に行っていないからかわからないですけど、ストレスのような感じで。でも海に行けばすぐに治りますけどね。…たぶん気のせいだと思います(笑)。

***

インタビューを通して、アーティストである一方、サーフィン、そして海を愛する人としてのPESさんの一面に直にふれることができ、感銘を受けると同時に、海との向き合い方についての気づきをいただきました。海はパートナー。素敵な関係性だと思います。PESさん、ありがとうございました。

みなさんも例年とは異なった2020年の夏をPESさんと一緒に振り返りつつ、これからの海の安全についてもぜひ思いを巡らせてみてください。

PESさんの最新活動情報はこちら
オフィシャルWEBサイト https://www.pepes.jp/
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お目が高い…!また読みに来てくださいね
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減らない海辺の事故、毎年平均30人もの子どもたちが犠牲となっている現状を変えるために活動しています。海辺のワクワクを安全に。noteでは最新の活動とメンバーの想いをお伝えします。私たちの活動は「海と日本PROJECT」の一環で実施しています。http://uminohi.jp/

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わたしたちの活動に賛同し、ともに“子どもの海の事故ゼロ”を目指す方への取材記事や寄稿文を掲載しています。海や子どもに関わる人たちが抱く、さまざまな想いにふれてみてください。