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海岸研究45年!培った知識を世の中へ伝え、海辺を次世代に残したい

「砂の気持ちがわかるようになってきた」という、全国の渚を研究する宇多高明先生の発言に、取材陣はどよめき、「カッコいい……」とときめきました。

例年とは状況が違う今年の夏。水辺の事故に関する報道は例年と変わらず、すでに耳にすることが多くなっています。私たち大人ができることは何か。このインタビューを読んでいただき、改めて考えるきっかけになったらと思います。

本インタビューは、2018年〜2019年度、旧サイトにて公開したものです。

2018〜2019年にかけ、海のそなえ事務局では海や子どもの安全に関わる事業を行っている7名の方に、お話を伺いました。

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プロフィール
一般財団法人土木研究センターなぎさ総合研究所 所長 宇多 高明さん

1949 年東京都生まれ。1973 年東京工業大学大学院修士課程修了(土木工学)。工学博士。日本地形学連合会長。建設省土木研究所河川部海岸研究室長、河川部長、国土交通省国土技術政策総合研究所研究総務官兼総合技術政策研究センター長を経て、現在(一財)土木研究センター理事なぎさ総合研究所所長。日本大学理工学部海洋建築工学科客員教授。


日本や世界をめぐり、最適な海辺の在り方を研究しています

ー現在、おこなっている活動内容について教えてください。

宇多:

海辺で起こるあらゆる問題について調査・研究を行うのがなぎさ総合研究所。環境・防護・利用、それぞれの面で現状を知ってもらい、自然と人間が共存する方法を提案する。ときには住民と行政間に立って保全事業の協議を進めたり、合意形成なども行うよ。

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僕が大事にしているのは現地でのフィールドワーク。研究を始めた24歳から約45年間、週に一度は必ずどこかの海岸に行ってるんだ。日本はかつて津波などの被害を防ぐため、海岸堤防を作った。

長年海辺に通ってきた僕の頭には、そんな歴史的な変遷も頭に入ってるんだな。それだけ見てきたからか、最近は砂の“気持ち”まで分かるようになってきたね(笑)


本当の海の知識、そして海辺の魅力を伝えていきたい

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ー活動の中で、世の中へ伝えたいことは何ですか?

宇田:

陸から海を見渡したとき、海底がどうなっているかは一見分からない。けれど、たとえば白波が立っているところは水深が浅く、濃く青いところは深い。

砂を侵食から守るべく作られたヘッドランド(=人工岬)付近は沖合への流れが強いなど、実際に海に触れてきたなら自然と理解していることって多いんだな。それは自分の目で見ることでしか学べない。

けれど、日本がやった海岸の整備は限界を迎えている。人の海離れも進んでしまった。それで海の知識が養えないまま、皆大人になっちゃった。だから僕は培ってきた海辺の知識を世に広め、多くの人に知ってもらいたい。

知識を身につけた上で遊べば、海はとてつもなく楽しいものなんだよ。


海の魅力と海岸保全に興味を持てるような、参加者が楽しめる活動をしていきたい

ー今後、活動をどのように展開していく予定でしょうか?

宇田:

今後は、実際に砂浜を歩きながら海の知識を伝えていく活動をしたいね。
以前地方のある海辺で、話をするイベントがあったんだ。その時は、老いも若きもたくさんの参加者が質問してくれて楽しかったな。「砂の粒はなぜこの大きさ?」「この砂はどこから来たの?」と人それぞれ海に対していろんな感性が働くんだよね。

実際に海に来てもらうのは、手間も時間もかかる。でもそれが一番、海辺の環境に興味を持つ方法だと思わないか。疑問は知識につながる。社会の端っこかもしれないけれど、海辺の環境を守っていけるよう、僕は知識を伝える活動を続けていきたいね。


自分で見て、自分で考えよう

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ー事故を起こさないために、わたしたちができることを教えてください。

宇田:

いざ海で事故が起こった時、誰かが助けに来るとは限らないよね。自分で自分の身を守る咄嗟の判断が必要だ。事故を減らすためにも、海に足を運んでどこが安全でどこが危ないかを見て欲しいな。その結果が、いざという時に子どもの命を救うことにつながるよね。 

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海へ行き、体全体で感じることが、一番理解を深められる。そのために先生は”海の知識を伝えたい”とおっしゃっていました。

私たち海のそなえ事務局も、ひとりでも多くの方が海に興味を持ち、知識が伝わっていく一助となれるよう、海に関するさまざまな情報発信をおこなっていきたいと思っています!


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減らない海辺の事故、毎年平均30人もの子どもたちが犠牲となっている現状を変えるために活動しています。海辺のワクワクを安全に。noteでは最新の活動とメンバーの想いをお伝えします。私たちの活動は「海と日本PROJECT」の一環で実施しています。http://uminohi.jp/

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わたしたちの活動に賛同し、ともに“子どもの海の事故ゼロ”を目指す方への取材記事や寄稿文を掲載しています。海や子どもに関わる人たちが抱く、さまざまな想いにふれてみてください。