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Zoomで講座開催!全国の親子14組と考えた海辺の安全

2020年6月14日、小学生以下の子どもと保護者を対象にした「守ろう!いのち 学び合おう水辺の安全セミナー」が、ビデオ会議ツールのZoomを使って開催されました。

主催は吉川慎之介記念基⾦代表理事の吉川優子さんと、日本ライフセービング協会副理事長・教育本部長の松本貴行さんのおふたり。わたしたち“海のそなえ推進プロジェクト”も実施のサポートをさせていただきました。

今夏は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防ぐため、学校ではプールの授業が行われないかもしれません。自治体管理の海水浴場が開設されずライフセーバーが常駐しないかもしれません。

そんな状況でも自分の安全を守れるよう、日本ライフセービング協会が作成したICT教材「Swim&Surviveを活用した講座です。14組の親子と一緒に、海での安全な過ごし方や溺れたときの対処法について考えました。

14組の親子がどのような1時間を過ごしたか、海のそなえ推進プロジェクト事務局の磯野がお届けします。

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なぜ今、安全セミナーを開催するのか?

東京や愛媛県など、全国から参加した14組の親子がZoom上に集合。
まずは吉川さんからお子さんへ向け、今回のセミナーにどんな思いでのぞんでほしいか、目的をお話ししました。

吉川「マスクをしたり、手を洗ったり、みんなが最近していることは、新型コロナウイルス感染症の感染予防のためですよね。今日、みんなに学んでほしいのは、そんな予防のひとつ。海での事故の予防です。

水辺で元気に遊ぶためには、事故を予防することが大切。みんなが毎日を元気に過ごすことは、周りの人を幸せにする、みんなにとっても家族にとっても大事なことです。今日はしっかり学んでくださいね」

事前に送付した資料を手元に用意しながら、画面を見つめる子どもたち。まだどこか緊張している子もいますが、早速1時間のセミナーがスタート。


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1問目「ライフセーバーのこと、知っている?」

座学パートは、講師の松本さんにバトンタッチ。黄色と赤のユニフォームに身を包んだ松本さんから、まずは最初のクイズが出題。

松本「わたしが着ているユニフォームを着た人は、なんと呼ばれているでしょう?」

今回のセミナーは各ご家庭に紙とペンを用意してもらい、クイズを組み込んだ動画の出題に、各自が書いて答える双方向のスタイル。

……わかる?」「ライフセーバーじゃない?」など、こっそり保護者と相談するようすが、スピーカーから全体に筒抜け! 「お父さんお母さんと相談しているの、全部聞こえていますよ〜(笑)」と松本さんからアナウンス。全体が和む場面もオンラインならでは。

1問目の答えは、ほぼ全員が「ライフセーバー」!
紙に書いて答えるときの子どもたちの表情がイキイキしていて、楽しそうです。

松本「みんな正解。よく知っていたね。ライフセーバーは、海水浴場で溺れている人がいないか、危険な場所がないか、常に目を配っている人たち。海へ行くときは安全にすごすためにも、その海水浴場にライフセーバーがいるか調べてから行ってほしいんだ。

ただ今年の夏は、新型コロナウイルス感染症の感染予防のため、人が密集しないようにいろんな場所で対策をとっています。海もそのひとつ。

例年多くの人でにぎわう海水浴場も、開かれない場合があるんだよ。でも、地域によって状況がちがうし、海水浴場が開かれないからと言って、海が立ち入り禁止になるわけではないよね。

だからやはり、海へ行くときはその海水浴場にライフセーバーがいるかを調べて欲しいんです。

また、海水浴場だけでなく、多くの学校でプールの授業さえも難しいと言われてもいます。本来なら子どもたちみんなはプールの授業で水に慣れて、水の安全を体で学んで、夏休みを迎えるはずだった。

しかし今年は、水に慣れないまま、水の知識を学べないまま、夏になる。そんな、水辺について学ぶ機会が少なくなっている状況を理解して、安全に過ごすにはどうしたらいいのか。今日は一緒に考えてほしいと思っています」

いよいよ海の安全を学んでいきます。


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溺れた時はどうする?実践的な内容を動画でレクチャー

「防波堤での魚釣り中に、友だちが誤って海に落ちた」というシチュエーションの動画と一緒にセミナーが進行。クイズが組み込まれているので、みんなで一緒に考えていきます。

クイズの中身はかなり実践的。例えば……

・溺れた友だちに掴まるものをさし出す!そのときの体勢は?
・友だちを助けるために、使える浮き具(スロー)はどれ?
・助けられる側にもなって考えよう。浮く物を受け取った時の正しい姿勢は?

など、海で友だちが溺れたときに、具体的にどうしたら良いのかを考える内容になっています。

専用の浮き具(スロー)がないときには、少しだけ中身を残したペットボトルが有用なことや、持つときはラッコのように抱えた方が良いことなど、万が一の知識として覚えておきたいことばかり。

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その場で再現してくれる子、イラストで表現する子など、画面上はかなりにぎやかです。

クイズはほかにも、

・友だちが海に落ちた!どう思う?
・ライフジャケットをつけているのに溺れそう!なぜ?
・海で溺れる原因ってなんだろう?
・海で溺れる年齢で多いのは?

など、自分をふり返って考えているものや知識など、より海の安全への思考を深められる内容になっています。


松本溺れる理由は、『離岸流』『風』が多くなっています。『離岸流』って聞いたことあるかな。岸に寄せた波が沖へ戻ろうとする潮の流れのこと。そして、特に僕たちライフセーバーが気をつけているのは、陸から海に向かう風。なぜなら、泳いでいる人が一気に沖に流されてしまうから。

ビーチボールや浮き輪などで遊んでいると、もっと流されやすくなります。もし急にボールや浮き輪が手から離れて流されても、絶対に追いかけないで。自分の命とボール、どっちが大切かを判断できる力をつけてほしい。

そして『泳力不足」も溺れる原因上位のひとつ。
ここでいう泳力は、プールで速く泳げることではなく、浮いていられること。向かってくる波をよけるため、波に潜れること。そういう対処法を含めて実践できることが、泳力と呼ばれているよ」

思わず大きくうなずく子どもや保護者の方たち。海での泳力とは、泳いで前に進む力だけでなく、落ち着いて浮いていられるか、波とたわむれられるかも重要なポイントなのです。


セミナー修了!修了証&サプライズのプレゼント

クイズたっぷりの動画を見終えたら、あっという間に1時間が経過。座学パートは終了です!

ここでなんと、日本ライフセービング協会からサプライズが2つ。
1時間しっかり学んだお子さんへ、修了証と特別なプレゼントがあるのだとか。

松本さんが「みんな、よくがんばりました!」と画面上で修了証を手渡す動きをしたのが、保護者のみなさんへの合図。

参加したお子さんへ、修了証とリボンがかかった小箱が、それぞれの保護者から手渡しで贈られました。当日に渡せるように、資料と一緒に送付していたのです。

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「わたしの名前が書いてある!」「箱の中身は……貝がら?みんな違う種類だ〜!」など、修了証やかわいらしい貝がらのプレゼントに歓喜の声! 動画に出演していた女の子も登場するなど、最後の最後は大盛り上がりでのフィナーレとなりました。


保護者が感じた、セミナー受講中の子どもたち

今回のセミナーは初のオンラインイベント。場所を問わずに参加できる反面、実際のお子さんの反応や温度感が少し見えづらいという懸念もありました。そこで保護者の方から、1時間のセミナーを受けるお子さんと過ごして思ったこと、感じたことをお聞きする時間を設けました。

1時間、関心をもって参加できた
「全員参加で“答えを書く、見せる”という一連の行動が、参加している感があって良かった」
「小1と4歳の息子たちと参加。下の子が通しで集中していたのが印象的。学校の授業などで導入しても良さそう」
「動画を見る、答えを紙に書く、話を聞く、とメリハリがある1時間だったので、飽きずに参加できたみたい」
コミュニケーションのきっかけになりそう
「“離岸流”というワードをきっかけに、自分の子ども時代のエピソードを子どもに話すことができた」
「今回のセミナーが、参加した2人の子どもと共通の話題になりそう」
オンライン授業の感想
「先生が自分に話しかけているような、“一対一”感があった。集中できたのも、そのためかなと思った」
「Zoomに慣れていないせいか、緊張していた。音声オフ中にも先生に話しかけたりはしていて、言いたいのになかなか伝えられない場面も。本人はもどかしさを感じていたようだ」
自信につながったようだ
「中2のお兄ちゃんは、自分の知っている知識とすり合わせができたみたい」
「小学校の着衣泳の授業で習った知識や内容が、今日のセミナーで一致したらしく、話して教えてくれた」
「上の子と比べて波を怖がる傾向にあったが、“波はよけるのではなく、”潜る”という松本さんの言葉が心に残ったようだ」

など、保護者の方からはおおむね「楽しんで学べた」との声が。最後の修了証とサプライズプレゼントも、達成感や喜びにつながったようです。


ぜひ受講してほしい!見学した事務局メンバーの感想

最後は少しだけ、見学していた事務局の磯野の感想です。子どもと接する機会が少ないわたしには、内容はもちろんのこと、画面いっぱいに映る子どもたちの顔や反応のすべても、新鮮な1時間でした。

文字を書くとき、答えに悩むとき、動画を見るとき、子どもって常に真剣ですね!

全身で表現したり、真剣に動画を見つめる子どもたちの姿は、どんどん新しい情報を得ている、学んでくれているのだと感じる瞬間ばかり。保護者の方も、海の安全とその裏にある危険性をご自身の家庭に置きかえ、考えてくれたのだと実感しました。

興味深かったのは、”オンラインだと一対一感がある”という保護者コメント。

今回のセミナーは、“自分の身を守る知識を身につける”が重要なポイントです。「自分は事故を起こさない」という意識で止まっている所から一歩進み、自分ごと化してもらわなければいけません。

そのためには、「あなたに呼びかけています!」と相手が受け取ってくれる状況をつくること。そうすると人は自分ごと化し、どうすれば良いのかを考えるはずです。

そういったときに、お子さんへ直接呼びかける形式のオンラインセミナーはとても有効なのだな、と改めて感じました。

ぜひ今後も回数を重ねたい!
月並みすぎる感想ではありますが、強く思いました。


主催してくださった、吉川優子さんと松本貴行さんには「インタビュー記事などを作らせていただきたい!」と打診中です。おふたりの想いはまた別の機会にご紹介しますね。お楽しみに。


セミナーで使用したICT教材
「守ろう!いのち 学び合おう!水辺の安全 Swim&Survive」

今回使用した動画は、日本ライフセービング協会が作成したICT教材の中にあります。

「動画で考えよう 海でのできごと」
https://elearning.jla-lifesaving.or.jp/think/

動画以外にも、海で溺れたときの対処法、テクニック、水辺の安全クイズなど、盛りだくさんの内容になっています。ゲーム感覚で楽しみながら学べる内容も多いので、ぜひチェックしてください。

守ろう!いのち 学び合おう!水辺の安全 Swim&Survive
https://elearning.jla-lifesaving.or.jp/


取り上げられたメディア

当日のもようは、各種ニュースなどでも取り上げられました。

共同通信(2020.06.14)
水難事故防ぐウェブ講習会 遺族企画、授業中止受け

愛媛新聞オンライン(2020.06.16)
溺れた際の対処法学ぶ 水辺の事故防ごう 親子向けオンラインセミナー

東京新聞オウンドメディア「東京すくすく」(2020.06.17)
コロナでいつもと違う夏、水辺の事故を防ぐオンライン講座 ドラマ形式で子どもが積極的に学べます

講師の松本さんの想いはこちらの記事でも紹介しています。
ぜひお読みください!
【再掲載】2020年夏、海辺の子どもの安全を守るために必要な“3つのこと”/日本ライフセービング協会 教育本部長 松本貴行さんに聞く


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減らない海辺の事故、毎年平均30人もの子どもたちが犠牲となっている現状を変えるために活動しています。海辺のワクワクを安全に。noteでは最新の活動とメンバーの想いをお伝えします。私たちの活動は「海と日本PROJECT」の一環で実施しています。http://uminohi.jp/

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