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【再掲載】2020年夏、海辺の子どもの安全を守るために必要な“3つのこと”/日本ライフセービング協会 教育本部長 松本貴行さんに聞く

本インタビューは、緊急事態宣言期間中の2020年5月1日に、旧サイトにて公開したものです。

緊急事態宣言が解除された今、水辺での子どもの事故が多発しはじめていることが報道されています。
例年とは大きく状況が異なる今夏。わたしたち大人は、どのように子どもたちの水辺の安全を守っていくのか。自粛生活を余儀なくされている期間中に、警鐘とヒントを与えてくれたのが、日本ライフセービング協会の教育本部長で、中学校高等学校教諭でもある松本貴行さんの“水辺を想う3つのこと”でした。

子どもたちの水辺の安全を守ることがまさに急務といえる現在、改めて本記事を通じて今夏の危なさを知ってもらいたいと思い、再掲載します。

松本貴行さん

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(プロフィール)
学校法人成城学園中学校高等学校 保健体育科教諭
一般財団法人東京私立中学高等学校協会 芸術体育系教科委員
消費者庁消費者安全調査委員会専門委員
公益財団法人日本ライフセービング協会副理事長・教育本部長

家庭や学校で学べる「守ろう!いのち 学び合おう!水辺の安全」
Swim&Survive ICT教材スタート! https://elearning.jla-lifesaving.or.jp/

1.教育現場での水泳・安全指導の不足

例年通りにはいかない教育現場
「水泳・安全授業が万全に行われる」とは言いにくい状況

多くの学校が新年度のスタートを切れていない上、学校再開時には感染症対策をおこないながらの運営となります。カリキュラムや学校行事等の年間計画の大幅な見直しも避けられません。

また、保護者からは、学習の遅れについて心配の声があがっています。今年度は小学校の新しい学習指導要領の全面実施にも当たりますが、学校側はすべてにおいて臨機応変な対応をせざるを得ません。

そんな中、更衣や生徒間の距離感が“密”になりやすい体育を含む実技系教科では、そのマネジメントに相当苦慮し、縮小、あるいは実施しない単元もあるだろうと思います。

2.親子の体力・筋力・判断力の低下

外出自粛生活が続いたことによる
親子の体力・筋力・判断力の低下への懸念

保護者のみなさんは、学校から『児童生徒の健康維持のために、屋外で適度な運動をしたり散歩をしたりすることは禁止しない』と伝えられたのと同時に、『毎日の検温や健康観察』『感染防止対策をとった適切な行動を』ということも要請されたかと思います。

のびのびと毎日外遊びをさせるのには、気が引けますよね。

さらに地域のスポーツクラブは休止、公園の遊具があるエリアでは立ち入り禁止、学校の校庭も開放されていないケースがほとんどです。この慢性的な運動不足をまねく状況下では、確実に体力も筋力も落ちてしまいます。

ちなみに“運動”は、必ずしもスポーツだけを言うのではなく、毎日のように重いランドセルを背負い徒歩で通学し、階段の昇り降りや日常的にグラウンドで遊んでいたすべての行動が“運動”に含まれます。

体力や筋力が低下すると、自分でイメージする体の動きや運動が、実際にやってみるとできないということが起きたり、判断力の低下やがんばりも利かなくなります。

夏休みなどの長期休暇明けの体育の授業では、いつも以上に息をあげているお子さんや授業後の保健室への来室が多く見受けられますし、こうした夏休み明けにいきなり水泳授業をやることは、想像しただけで危険が多いことを察していただけると思います。

今後の事態が収束した折には、水辺へ行くことのリスクを正しく理解し、十分な予防策をとってほしいと思います。

3.今、求められる行動とそなえ

「Stop-Think-Act」に学ぶ、今わたしたちが求められる行動とそなえ

もっとも着目しているのが、ストレス状況下での“人の心の動き”です。

強い行動自粛が求められて、報道を見て不安を感じ、自由が失われて我慢を強いられている生活には誰でもストレスがたまります。4月でさえ、週末には海浜地域で渋滞が発生し、登山やキャンプ等、自然に向かう方々の行動が目立ちました。

気持ちは大変よくわかります。
しかし、このままさらに気候も暖かくなるにつれ、心身の解放や涼を求め……という行動が密につながり、感染拡大や感染に対する不安を与えてしまいかねません。

私たちライフセーバーが状況判断する際の心構えとして「Stop-Think-Act」という言葉があります。字のごとく「まずは止まって、最善を考え、行動を起こす」という意味です。今は、感染予防のための行動が最も大切です。

日本ライフセービング協会では『海を愛する国民のみなさんへ』と題し、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のためのメッセージを発信しています。

【共同声明】                            海を愛する国民のみなさんへ〜Stay at Home! Stay in Your Town!〜
https://jla-lifesaving.or.jp/news/453/

『Stay at Home! Stay in Your Town!』
海岸を楽しむ人たちが密になっていませんか?
海岸を利用するまでに長時間・長距離の移動をしていませんか?
自分の行動に責任をもっていますか?
あなたの行動が周りの人に不安を与えていませんか?
あなたの行動が愛する人を悲しませていませんか?

今一度、感染予防のためにすべきことを、海を愛する全てのみなさんとともに考え、行動していきたいと思います。

大切ないのちを最優先に、大切な人を守る行動こそ、ライフセービングです。

そして……水辺との接点が少しずつ訪れる日には、どうか今日の話を思い出してください。

先にお伝えした子どもたちの授業時間の不足や、長期の休校による体力や筋力、判断力の低下、精神的なストレスからの解放感が招く行動等を理解した上で、水辺での活動リスクをしっかりと考える必要があります。

かけがえのない生活に新しい未来を重ねていくために。
再会を喜んでくれるはずの海に悲しみを与えないために。

インタビュー実施:2020年4月18日 旧サイトにて5月1日公開


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減らない海辺の事故、毎年平均30人もの子どもたちが犠牲となっている現状を変えるために活動しています。海辺のワクワクを安全に。noteでは最新の活動とメンバーの想いをお伝えします。私たちの活動は「海と日本PROJECT」の一環で実施しています。http://uminohi.jp/

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