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救命具からマリンスポーツギアへ、命を“守る”だけでない価値観を見つける

本インタビューは、2018年〜2019年度、旧サイトにて公開したものです。

2018〜2019年にかけ、海のそなえ事務局では海や子どもの安全に関わる事業を行っている7名の方にお話を伺いました。

大手釣具メーカー「DAIWA」でプロモーションを行っている吉川隆さんは、経験則がなくても安全に身を守る術として、「ライフジャケットを着けること」を教えてくださいました。

そして世の中へライフジャケットの必要性を伝えるには、「救命具の価値観を変えなければいけない」とも力強くおっしゃっていたのを覚えています。

各地での海水浴場の閉設、外出自粛など、例年とは状況が違う2020年の夏。この状況を前に、私たち大人ができることは何か。このインタビュー記事が、改めて考えるきっかけになったらと思います。



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プロフィール
グローブライド株式会社 吉川 隆さん

フィッシングのDAIWA、そのプロモーションを国内外で展開する中心メンバー。長年、広報や宣伝の担当部署に従事。DAIWAが40年に渡って運営する子どもの釣りクラブDAIWA YOUNG FISHING CLUB(D.Y.F.C)では、釣りを通して子どもたちの成長につながる企画を思案、子どもたちとの関わりを深めている。一方で、日本の源流に関わる多くの関係者とのネットワーク作りにも注力。日本の自然と子どもたちの未来を支えることを夢見ている。
株式会社グローブライド http://www.globeride.co.jp/


マニュアルが通用しない自然との向き合い方を、子どもたちに伝えています

ー現在、おこなっている活動内容について教えてください。

吉川:

僕らが運営する、子どもの釣りクラブDAIWA YOUNG FISHING CLUB(以下、D.Y.F.C)のスローガンは「自分で考え、自分で工夫し、自分で動く」です。

釣りは自然相手なので、気温・季節・場所それぞれで釣り方が変わります。マニュアルは通用しません。魚を釣るのに、絶対的な正解はないのです。

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D.Y.F.Cでは「こうすれば釣れる」を教え込むのではなく、「どうすれば釣れるか」を自分たちで考え行動できるようにしています。海での安全対策も同じで、自然と向き合ったときに、どうすれば危険を回避できるか考え、工夫し、動いてほしい。そして、安全に楽しく過ごしてほしいんです。


波や空が読めなくても、救命具を着けることはできる

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ー活動の中で、特に注力されていることは何ですか?

吉川:

安全が担保されていないと、自然を楽しむのは危険です。D.Y.F.Cの活動でも、必ず大人が救命具を着けてあげます。なぜなら海釣り中に高波が来たら、子どもはさらわれてしまうから。

海の安全のためには、波や空の色の変化などから危険を察知する力が必要です。でもそれができるのは、長年釣りをしてきた人や海に通う人など一握り。突然の事故に遭う方の大半は、救命具なしで海釣りや海あそびをしています

いくら危険がつきものと訴えても、自然に触れてきていない方達には、そもそも僕らの声が届かないんです。その層へどれだけ海辺の安全対策を周知させるか。救命具の価値観を変えるのが課題です。


救命具を変えて、海辺でのあそびを変えたい

ー今後、活動をどのように展開していく予定でしょうか?

吉川:

たとえば「フライングスーツ」を知っていますか? 腕と足の間に布を貼ったスカイダイビング用の特殊スーツで、滑空の自由度が増し、空をムササビのように飛べるんです。

このような自由度の革命が、海の装備でも起きたら。浮力材などを開発し、新しい救命具が生まれたら、革新的な海あそびの道具となり、“安全を守る”という価値観だけではなくなるはず

サーフィンやボディボードのギアのように、ハワイのノースショアの大波に救命具で乗ったら、おもしろいと思いませんか。そうやってマリンスポーツの面から救命具の価値観を変えられたら、今まで僕らの声が届かなかった人の命が助かると思います。


自然の怖さと楽しさを知ろう!

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ー事故を起こさないために、わたしたちができることを教えてください。

吉川:

海を好きになる気持ちは、海の怖さと楽しさの両方を知って育まれるのではないでしょうか。

子どもが学校の安全教室などで身の守り方を習っていても、万が一事故が起きたときの判断は親がするもの。子どもは親に従います。あなたが子どもに海の素晴らしさを伝えるためには、自然、そして海の驚異と豊かさを知らなければいけません

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海には楽しさと危険の両面があること。当たり前だけど見過ごしがちなことを、子どものうちから知っておくのは、海を好きになるための第一歩なはずです。子どもたちへ伝えるために、私たちにできることから始めてみませんか。

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減らない海辺の事故、毎年平均30人もの子どもたちが犠牲となっている現状を変えるために活動しています。海辺のワクワクを安全に。noteでは最新の活動とメンバーの想いをお伝えします。私たちの活動は「海と日本PROJECT」の一環で実施しています。http://uminohi.jp/

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わたしたちの活動に賛同し、ともに“子どもの海の事故ゼロ”を目指す方への取材記事や寄稿文を掲載しています。海や子どもに関わる人たちが抱く、さまざまな想いにふれてみてください。